column

自分たちらしく子育てを楽しむために。
~対談 「親子でオンライン体験フェス」

2020.06.30

全国の視聴者3,000人が参加した 「親子でオンラインフェス」。そのプログラムのひとつとして、保育起業家の小笠原舞さんと、ダッドウェイ社長・白鳥公彦の対談が6月6日に行われました。コロナ禍による世の中の変化を感じながら、子育てにまつわる対談は、お子さんと一緒に参加される方、保育士志望の方など20名が画面に集い、リラックスした雰囲気ではじまりました。

自著「無常識~ゼロベースで生きる」より

Facebook写真より

白鳥おはようございます。子どもの頃から自然が大好きで、よく海に遊び行き、海に遊ばれていました。自称元祖湘南ボーイです(笑)。陸、海、空のアクティビティは今でも楽しんでいて、永遠のいたずらっ子でありたいなと思っています。
アウトドア好きが高じて、子どもが生まれた後に、お父さんが赤ちゃんをいかに楽に、かっこよく連れ出せないかと思い立って、1992年にダッドウェイを起業しました。海外にしかない育児用品を輸入したり、自分たちでオリジナル商品をつくってみたり・・・そうやって現在に至っています。よりラクに、もっと人生を楽しもう、それが私のモットーです。

小笠原おはようございます! 私は海と山の距離の近さやおしゃれな街並み、東京へのアクセスの良さに魅力を感じ、神戸にほれ込んで2016年に移住しました。今は下町情緒あふれ、多文化共生を目指す街、神戸市長田区でもうすぐ2歳になる息子と主人、柴犬と暮らしています。須磨海岸までは自転車で15分で行くこともできますよ。

これまでのキャリアはというと、保育現場を経て2013年に「こどもみらい探求社」を立ち上げました。自分たちらしく働ける場所をつくったという形ですね。他にも、2012年には、“あったらいいな“を形にする子育てコミュニティ「asobi基地」をつくり、東京以外にも大阪、愛知等いくつかの県に広がっています。保育士としての経験を生かしながら、こどもたちにとってよりよい社会をつくるために様々な活動をしています。

プライベートはというと、これまでの活動経験から、息子が多様な人の価値観に出会えるようにという思いに加えて、私自身が自分らしく、楽しく暮らすことが大切だと思っています。ひと家族だけでなく、地域ぐるみで子育てできる環境を見つけ、この街に引っ越してきました。

司会白鳥さん、舞さん、よろしくお願いします。
コロナで外出がままならなくなって以来、自然を体験する良さ、大切さをみんながあらためて感じる機会になりましたね。 一方、楽しみたくても、どう遊べばいいのかな、と戸惑うお父さんお母さんも多いように思います。

白鳥コロナ禍の時であっても「考え方、感じ方ひとつ」で楽しさは違ってくるんですよね。

私にとって人間で一番大切だと思うのは、「好奇心」だと思います。好奇心があれば何だって楽しくなる。毎朝犬と散歩していても、毎日新しい出会いを見つけようとチャレンジすると、毎日必ず何かをつかみます。今朝はダンゴムシが面白かった。ダンゴムシって、葉っぱを食べて、フンが肥料になりますが、オスとメスの見分け方って知っていますか? よーく見るとメスのセナカに黄色い点々があって見分けることができるんです。そんなことをちょっと知るだけでも、自然への親しみがわくでしょう(笑)

司会意気込んで自然体験でなくても、日々の中でも楽しめると・・・

白鳥でもね、正直キャンプ好きな私にとって、やっぱりやりたい気持ちは抑えられない。ではどうするか?3人の孫と楽しむのは、庭とかベランダで、まきをちょっとくんで小さな火をたいて、マシュマロやソーセージを焼いて楽しみます。こっちもお酒のつまみにもなるしね(笑)

Facebook写真より

小笠原私も関東に住んでいる頃は自然体験するには一日かけて車で行かなきゃと思っていましたが、それって実は思い込みでした。実際には、身近なところで自然を感じることができるんですよね。
例えば、玄関でトマトの苗を育てているのですが、飛んできた虫に気づいたり、アリを見つけたりして遊んでいました。子どもは上手ですね、自然を探すのが。

非日常を味わえるキャンプもいいですが、日々の暮らしの中でを自然を意識してみると、毎日散歩している道でも咲く花の種類や色表情が違うことや、花の香りがする時期があることに気づいたり。それを親子や家族で一緒に感じて、会話するだけでも学びがあるな、と思うんです。

ちょっと脱線しますが、おもしろいなと思った話があって。asobi基地で人気のキャンプ企画を主宰する人から聞いたのですが、「何をしたらいいいですか」と質問してきたのは大人で、子どもたちはというと、好きなことを好きなだけやっていたそうです。大人の方が自由時間に慣れていないということがわかったと言っていました。ゆったり、のんびりするのがキャンプの醍醐味なのに(笑)
日々の忙しさから逃れ、自然の中にいくからこそ気づけることは多くありますよね。そこで気づいたことを、もっと日常生活に持ち帰って日々へつなげることが、すごく大切だと思っています。一日だけ行ってテーマパーク的に終わるのは、すごくもったいない!。

私はちょうどコロナの前後に、無性に花と緑に囲まれたくなって2階の部屋に取り入れてみたのですが、今ではおしゃれなカフェに行くよりもリラックスできるお気に入り空間になりましたよ。

白鳥私も仲のいい友だち3家族でもう35年以上、毎年キャンプを続けています。
安全な場所を確保して、子どもたち同士で勝手に焚火を作らせていました。たいていそのとき親たちはビールを飲んでいますがね(笑)。ほったらかしに遊ばせると、子どもたちはお互いに役割分担をして、どこからか薪を集めて、時には口論しながら、それでも楽しそうに焚火をしていた。たくましく育っていくんですよ。「早くから火遊びさせる」というのが、私の持論ですね。

自著「無常識~ゼロベースで生きる」より

司会親たちは、どうしても楽しみ方を先にリサーチして、子どもにしっかり準備させがちですね。朝はこれをやって、昼はこれをやってとか。

小笠原わかります!
よりたくさんのことを経験してもらいたいと張りきっちゃいますよね。
でも、キャンプに行く時くらいは用意しすぎずに、その場にあるもので楽しむ。子どもと一緒に見つける・感じることがとても大事だと思います。
私自身もあれこれ準備するタイプですが、保育士時代に子どもたちとに一緒にいると、彼らの見つける・感じる力に魅了されました。普段見えていない世界って、こんなにもあったんだ!と感動の日々でした。
ワクワクしたものに飛びつき、自分でそれを探求していく。シンプルに生きることを楽しむ子どもたちの姿から学ぶことが多く、豊かに生きるヒントを彼らから教えてもらいました。

白鳥準備万端しなくて、全然いい。失敗もいいし、それもまた楽しい思い出になります。
親たちは真面目だから、抱えすぎだね。子どもはほったらかしにしても、夢中になることを見つける。子どもが自分でみつけた夢中になれることを、一生懸命応援することがとても大切だと思う。

小笠原例えば雨の日。大人は「雨か、嫌だな」と思いがちですが、子どもは大はしゃぎで服の汚れなんか気にせず遊びます。ワクワクしている時は、最大の学びのチャンス!長靴を履いたり、カッパや汚れてもいい服を着たり、おもいっきり遊べる工夫をしてあげてください。そうすることで、わが子の生き生きした姿が見れ、さらに親のイライラも解消されて、一石二鳥ですよ!

Facebook写真より

会場の方からの質問子どもは自分の五感である程度危険を察知すると思いますが、時には夢中になりすぎて危ないなという場面がありました。どこまで親が黙って、どこから介入したらいいのでしょうか?

白鳥「自分の子どもとは毎週末キャンプ場へいきました。ある日ダムのような防波堤のある崖っぷちに子どもを連れて、身を乗り出させて「この先にいったら、君たち死んでしまうよ」と言い聞かせました。親からみたデッドラインを最初に見せて、その恐怖心を味わせたんですね。その後はところどころ子どもから目を離さず、でも自分も好きなことをやっている。基本はほったらかしで遊ばせていました」。

小笠原日々の中で小さい痛みを体験することが大切だと思います。もちろん大きな怪我に繋がりそうな場合はしっかり止めながら。いつも大人が先回りしてばかりいると、自分で危険を回避したり、予知する力が育っていきません。1つずつ危険に対してのステップを重ねて体験を積んでいけたらいいですよね。そもそも子育てって答えはないのですが、年齢だけで判断せず、その子のペースや特徴特性をよく観察することが大切です。一番近くにいる大人がその子の今を見ながら、一緒に危険に対して向き合ってみてください。

会場の方からの質問「親御さんが自分らしくあることと、子どもが自分らしくあることは両立しますか?または両立するためにやるべきことは?」

小笠原両立すると思います。両立するためには、親が自分をまるごと受け止めてあげられているかが鍵。大人自身が自分の個性を認められていないと、子どもの個性をまるごと受け入れるのはなかなか難しいなとこれまでの経験から感じています。
子どもは常に自分らしさを爆発させて生きています。むしろ、大人の方がなかなかできていない。もっとちゃんとできるようにならなきゃ、完璧にしなきゃ、という気持ちが両立を難しくしているなと。こどもも大人も、自分らしく生きること。
その上で、それぞれを尊重しながら、自分たちのオリジナルな関係性を作り上げていくものじゃないかなと思っています。親と子の関係づくりも、夫婦関係やや友人関係の作り方と一緒なんですよね。
そうはいっても、私も実際に息子を育てていると怒ってしまうこともあります。そんな時には「さっきは言い過ぎたね、ごめん」と言いながらトライアンドエラーでやっていますよ!

白鳥おたがいのありのままを、認め合うということですよね。
私が子育てで心がけていたのは、できるだけ、子どもと同じ目線に物理的に立とうと思っていました。そうすると心情的にも、あわせようという気持ちがめばえてくる。
人生の目的は「幸せ」になることだと信じています。みんなが幸せになるためにも、周囲の人々を1日数分でもいい、少しでも幸せにしていこうと努めること。そうすることによってみんなが、いい人生になっていくと思います。

司会ありがとうございます。視聴者の方との対話も盛り上がりましたね。

“朝の対談も色々と新しい気づきがありました。楽に、楽しく、かっこよくっていいですね♪親も人生楽しまないと子供も幸せになれないというのは日頃の子育てサポートの活動でも言っているのですが、まさにそれを体現されているなぁと思いました “。

お手伝い大好きの小3少年の父なのですが、包丁仕事をやってくれる時に、ついつい猫の手にしろとか、欲張って沢山切ろうとすると無駄に力入って危ないとか、言いすぎてる感を感じますね…

親が自分を受け入れられないと、子供を受け入れらないですよね。。。。
こうすべきが優先すると。。ねばならないをどれだけ排除できるかかなぁと思います。
一緒に幸せになろうという気持ちで付き合ってます。

今回の対談を機会に、これからも、家族がラクに楽しくかっこよく、子育てにむきあるような取組がしたいですね。今日はみなさん、どうもありがとうございました。

profile

小笠原 舞おがさわら まい
保育士起業家 / 合同会社こどもみらい探求社 共同代表 / asobi基地 代表

「誰もが幸せに生きられる社会・差別のない世界はどうつくるのだろう?」とふと中学生の時に思ったことから、福祉分野に興味を持つ。大学で福祉を学んだ後、一般企業での仕事を経て、保育士に。抱いた問いへの答えのようなものをこどもたちの世界に見出し、保育士起業家として独立。2012年には子育てコミュニティ「asobi基地」、2013年には「こどもみらい探求社」を設立。子育て・保育の専門家として、2015年に「保育マーク」を生み出した。著書に「いい親よりも大切なこと~子どものために“しなくていいこと”こんなにあった!~」プライベートでは、2016年に神戸市に移住し、現在は神戸市長田区の下町情緒と多様性あふれる街でもうすぐ2才になるわんぱく息子を育てながら、自らの世界を広げている。

白鳥 公彦しらとり きみひこ
株式会社 ダッドウェイ代表取締役社長

NPO法人 孫育て・ニッポン理事 アメリカ山 ガーデンアカデミー/徳育こども園理事1955年神奈川県藤沢市生まれ。「お父さんの子育てをもっとおもしろ楽しくしたい! 」を創業理念に、1992年株式会社ダッドウェイ創立。著書に「無常識~ゼロベースで生きる」(幻冬舎メディアコンサルティング)。3人の孫を持つ育ジイ。

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